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2007年12月30日 (日)

最近の読書(2)

P1010436 ろくに本を読まなかったがそれでも、いくつか、反省させられる読書というのはあった。あるいは雑誌段階で関わった仕事が単行本になっているというのも、一つ。以下記す。なお画像はこれまで述べたものを含む。

大島孝一『戦争のなかの青年』岩波ジュニア新書
これは、Rさんのブログで知った。岩波文庫や岩波新書の、いわば現代の古典となっているものを題材にした作品である。個人的なことをいえば、私の父は、1947年東工大応用化学科卒なので、まさにこのなかの学徒兵の世代である。だから、父の残した蔵書にヴィットコップ『ドイツ戦没学生の手紙』や東大学生自治会戦歿学生手記編集委員会編『はるかなる山河に』はあり、大牟羅良編『戦没農民兵士の手紙』も中学の担任の下宿に遊びに行ったときに借りて読んでいた。いまからいえば、よい読書環境であったわけだが、その反面、「そんなの知ってるよ」という感じで、大学に進んでからはこの分野に眼を通したことはない。
『戦没農民兵士の手紙』にだけふれておくと、最初読んだ時は、「たくさんガシ(ガスのこと)出て難儀していますか」などという素朴そのものの文体にまず感覚的にひきつけられたが、今になって思うと、農民兵士の家族へのやさしさと敵に対する凶暴さ――中国大陸での蛮行もそこから連想されよう――など、日本ファシズムを論じる時は必ず触れられるトピックなのである。

この本の出版された1985年より、読者層はやせ細り、状態は悪くなっている。190頁に出てくる「愛国心とはなくていけないものでしょうか」と問うような学生は、いま、どれくらいいるのだろう。「そんなのデフォでしょ」という具合に安易に当然視する人が、増えている。

岩田正美『現代の貧困――ワーキングプア・ホームレス・社会的排除』ちくま新書
これは、貧困問題への誠実な対応。独法祭りで、やり玉に上がっていた労働政策研究・研修機構が、『日本労働研究雑誌』528号で、この著者に論文を依頼しており、本書の第4章にそれが生かされていることは記憶されていい。

片山杜秀『近代日本の右翼思想』講談社選書メチエ
『SPA!」の名コラム「ヤブを睨む」の著者(往年の片山素秀)の、初の単著。安岡正篤や蓑田胸喜を論じた箇所も面白い(著者は細木数子に「あんたの奥さん、声が出なくなるわよ!」などと呪われているかも知れない)が、健康論や身体論を論じて、三井甲之の「手のひら療治」や佐藤通次の「呼吸法」に触れるいたって、問題は哲学的であることに気づかされる。文体バリバリに硬いので少し疲れる。若々しく荒々しいのがいいという人もいるかしら。

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