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2007年12月31日 (月)

諸事積み残し

27日までだらだらと仕事をしていて、やっと28日から体があいたので、近所の量販店でファクスを買い換える。今使っているのは、KX-PW7CLという時代物。本来なら、もっと早く買い換えておけばよかったのだが、B4での送受信――最近の機種はA4送受信か、せいぜいB4受信、A4送信まで――にこだわっておそくなった。

30日には池袋で買い物。ジュンク堂で六法全書を時間をかけて選ぶ。買ったのは、
『判例六法Professional』有斐閣
文字の大きさで言えば、三省堂の『模範六法』のほうがよいのだが、これまで有斐閣『小六法』を使っていたので慣れというものもあり、この話題の二分冊に。

ただ、法律関係の校正をするとはいえ、そんなにしょっちゅうではない。Professionalというが、Windows XPだってHomeで十分なのである。だから、有斐閣『判例六法』、三省堂『コンサイス判例六法』というのも考えた。六法は『家庭の医学』と同じで、まず読まないページがほとんどだし。結局、経費をけちるな、というのであえて買う次第。LABIでアドビアクロバットの8.0を買う。

他には『ジュリスト 労働法判例百選』『法律学小辞典第4版』『世界憲法集』『人権宣言集』とはなはだ実用一点張りの買い物。「政治」の棚をみると友人の何人かがいい研究をしているのをみて、胸中単純ではない。

年末の買い物の楽しさも忘れて久しいし、クリスマスも祝えなかったので意気上がらないこと甚だしい。歩いて15分くらいのところに、教会があるにもかかわらず……。母教会は遠くなってしまい通えず、学生時代の指導司祭は清瀬におられ、「共謀罪」関連で思わぬご縁ができたから遊びにいっていいのだが。多忙という以外の理由――神学的な懐疑などではありません――もあるのだが。

しかし、12月の夜というのは、気が滅入る。28日の夜など、雨音と自動車のタイヤが道を擦って通過する音を聞いていると、岸上大作になった気分(あれは12月5日だよとか、お前はいくつなんだよ、とかツッコミを入れたがる向きがあるだろうが)。

ほかにもできなかったことが一杯。
×コンピュータの新調――メーカがコンシューマ市場から撤退するので、それに対応して。
×プリンタの新調――まだ使えるとはいえ、psc1210はケーブル必須。いちいち印刷用に立ち上げるのも厄介。

×結社への加入――トカトントンという音が聞こえた?ため(見る前に飛べという言葉もあるが)。
×歌集の筆写(笑わないで下さい)
×吟行(たとえば、12月・国会議事堂前)
×探鳥会参加
×マジな読書(10月に出した企画のその後のフォローを含め)

2007年12月30日 (日)

最近の読書(2)

P1010436 ろくに本を読まなかったがそれでも、いくつか、反省させられる読書というのはあった。あるいは雑誌段階で関わった仕事が単行本になっているというのも、一つ。以下記す。なお画像はこれまで述べたものを含む。

大島孝一『戦争のなかの青年』岩波ジュニア新書
これは、Rさんのブログで知った。岩波文庫や岩波新書の、いわば現代の古典となっているものを題材にした作品である。個人的なことをいえば、私の父は、1947年東工大応用化学科卒なので、まさにこのなかの学徒兵の世代である。だから、父の残した蔵書にヴィットコップ『ドイツ戦没学生の手紙』や東大学生自治会戦歿学生手記編集委員会編『はるかなる山河に』はあり、大牟羅良編『戦没農民兵士の手紙』も中学の担任の下宿に遊びに行ったときに借りて読んでいた。いまからいえば、よい読書環境であったわけだが、その反面、「そんなの知ってるよ」という感じで、大学に進んでからはこの分野に眼を通したことはない。
『戦没農民兵士の手紙』にだけふれておくと、最初読んだ時は、「たくさんガシ(ガスのこと)出て難儀していますか」などという素朴そのものの文体にまず感覚的にひきつけられたが、今になって思うと、農民兵士の家族へのやさしさと敵に対する凶暴さ――中国大陸での蛮行もそこから連想されよう――など、日本ファシズムを論じる時は必ず触れられるトピックなのである。

この本の出版された1985年より、読者層はやせ細り、状態は悪くなっている。190頁に出てくる「愛国心とはなくていけないものでしょうか」と問うような学生は、いま、どれくらいいるのだろう。「そんなのデフォでしょ」という具合に安易に当然視する人が、増えている。

岩田正美『現代の貧困――ワーキングプア・ホームレス・社会的排除』ちくま新書
これは、貧困問題への誠実な対応。独法祭りで、やり玉に上がっていた労働政策研究・研修機構が、『日本労働研究雑誌』528号で、この著者に論文を依頼しており、本書の第4章にそれが生かされていることは記憶されていい。

片山杜秀『近代日本の右翼思想』講談社選書メチエ
『SPA!」の名コラム「ヤブを睨む」の著者(往年の片山素秀)の、初の単著。安岡正篤や蓑田胸喜を論じた箇所も面白い(著者は細木数子に「あんたの奥さん、声が出なくなるわよ!」などと呪われているかも知れない)が、健康論や身体論を論じて、三井甲之の「手のひら療治」や佐藤通次の「呼吸法」に触れるいたって、問題は哲学的であることに気づかされる。文体バリバリに硬いので少し疲れる。若々しく荒々しいのがいいという人もいるかしら。

2007年12月29日 (土)

格差社会へ批判元年

雨宮処凛vs濱口桂一郎対談『格差社会へ批判元年』12月19日の『EU労働法政策雑記帳』予告されていたのが、28日朝日新聞夕刊に出る。ビミョーなすれ違いぶりがかえっておもしろい。竹信三恵子氏(『きほんのき』はこの人が学芸部次長の頃の企画。たまたま28日、近所の古本屋で入手。連載当時もおもしろかったが、思想的背景を考えると納得がいく)が司会と編集を担当したとあるが、ライブを見てみたいという気分。

論点は多岐にわたるが、興味深かったことを一つだけあげておくと、非正規労働者の組合について、

濱口「(独立系労組の) 功績は大きいが、正社員労組と一緒に戦う方が効果的。日本の職場は管理職と非正規雇用だけになる可能性さえあり、非正規の組織化なしに労組の将来はない」【( )はMaxの補足】
雨宮「ひどい労働条件の非正社員の増加を正社員労組は放置し、非正社員たちは自力で労組を作った。日雇い派遣など細切れ雇用の人たちを支える独立系労組は必要だ」

という、違いがある。

ただ、幸いにというか、出版の場合、ある意味では、この問題はクリアされかけているのかもしれない。ゼンセンのパート組織化についてかつて『日本労働研究雑誌』でのある論文がそこはかとなく示したような、正規社員側の組織防衛(=非正規の別系統労組による組織化の排除)という利害がそれほどは、絡まないこともある(むろん、お前は甘いんだよ、といわれればそれまでですが)。

2007年12月24日 (月)

若林亜紀という物件

「行政改革」が中曽根一流の扇動の装置だったことに、気がつかない人、気がつかない振りをしている人が多すぎる。国労の衰退と動労の転向が中曽根の狙いだったし、森喜朗や中川秀直は、日教組と自治労を解体するのが狙いだとも言っている。

「サヨク」「アカピ」「ちょうにち」とののしられている朝日新聞だが、9.11のときにもテロとの戦いに参戦しかねない社説を書き、いまや、「少しばかり『リベラル』な産経」となりつつあるのではないか。『AERA』も同じことだ。そして、12月のTVに売れっ子として出ていた「ジャーナリスト」若林亜紀こそ、そういう時代の申し子だろう。

「独立行政法人祭り」「公務員祭り」――まったく2ちゃんねるの「祭り」と同じだろう――の中でも、彼女の地金が出たのが、都市再生機構をめぐっての12月4日の次のような叙述だ。

「愛知県保見団地では9000戸中4000戸が日系ブラジル人です。低所得者や身障者向けだから公金投入という理屈は通りません。」(渡辺大臣がんばって!2)

どこをどう見たって、日本人の劣情のような憎悪を煽り立てる文章ではないか。日本人のジャーナリストが日系ブラジル人について言うから、見逃されているのだろう。もしドイツのジャーナリストが、ドイツについて「トルコ人、ギリシャ人が~」とやりだしたら、レイシストとして逆ねじを食らうのは眼に見えている。URは、すでに1980年に国籍条項を撤廃している。

「入居の条件を満たしていますが、何か?」としかいうはずのないことだろう。入居後のマナーの問題はもちろん、あるかもしれないが、それはまた別である。日系ブラジル人の入居ををことさら問題視するのはいかがなものか。そして、保見団地については、URのHPでもわかるが、いわゆる億ション物件ではない。

もちろん、若林のブログで触れている都内の高級物件についての、外国人エリートビジネスマンへの高級住宅の建設が本旨ではないはず、というのは正しい。ただ、それは、「エリートビジネスマン(⇔ワーカー)」「高級住宅(⇔良好な住環境を満たす程度かそれより少しよいもの)」というところに力点を置かれるべきであり、中~低所得者向けの住宅の充実は、元ゼネコン社員で宅建保持者の彼女が夢想するような市場では無理だろう。かつて、早川和男が『住宅貧乏物語』で説いた、基本権としての居住権は、20年ほどたった今、見事に忘れられている――。

それにしても、若林のデビュー作『ホージンのススメ―特殊法人職員の優雅で怠惰な生活日誌』の腰巻に文章を寄せた佐高信はいったい、何を考えたのだろう。彼が推薦文を書いた新人はいまや、猪瀬直樹を支持し、行革イデオロギーを撒き散らしている。

外交官だった天木直人もやはり若林を支持する。官僚組織への批判で共通するところがあると考えているのだろう。しかし、若林は、イラク戦争反対を言っていたのはいつのことやら、いまでは、渡辺喜美にすりよるような考え方の持ち主ではないか。

渡辺は護憲派でも、イラク反戦派でもない。それどころか、神道政治連盟や日本会議のメンバーである。彼女は、安倍内閣発足時も行革に期待し、イケメン首相には甘く、タウンミーティング問題が明らかになるまで教育基本法には口をぬぐっていたのではなかったか。当時、まるでブレヒトの『第三帝国の恐怖と貧困』に出てくるウィーンの市民のような絶望感を持って事態を見守っていた一人としては、腹が立つ。こういうしかない。「若林さん、あなたが安倍内閣をあれほど増長させたんだよ」

知り合いの、あるジャーナリスト(これは本物)が、マスコミの早稲田閥を呪っていたのを聞いたことがある。彼によれば、学生の時分から一流マスコミでアルバイトしてコネつくりに余念がない早稲田の人間こそ、たいしたことない腕のわりにペイのいい仕事を独占している特権階級とのことだったが、何、三田のほうにも似たような人がいるということだ。

どうやら手紙を書くと必要があるらしい。書き出しは――

佐高信さん、いまでも、若林亜紀さんを支持しておられるのでしょうか。今後、『ホージンのススメ』が文庫化されるときも佐高さんの帯がつくのでしょうか。

彼女の最近の発言を見る限りあきらかにおかしな方向にかじを切ってしまっています。ブログではレイシストまがいの発言まで見られるではありませんか――。

2007年12月21日 (金)

行政改革

国立国語研究所が廃止になる。いわゆる独法「改革」ということらしい。

ここ一月ほどテレビでけたたましかった若林亜紀が何か言ってるかと思いきや、まったく無反応。自分の古巣への復讐心で凝り固まっている人間というのは、何も見えなくなるらしい。

それにしても、「行政改革」とさえ名がつけば、諸手を挙げて賛成するとは。なんと愚劣な思考だろう。渡辺行革相は、中曽根(国鉄)や小泉(郵政)にあやかろうとしているのである。今は「抵抗」されても、繰り返していれば、メディアに露出する機会が増えるという算段だ。それに対して、ジャーナリストと称して提灯持ちをしている人間がいる。おそらく、大学でノートを確保してAをそろえることとマスコミでのバイトしかしてこなかったような人間が。

2007年12月 5日 (水)

1年……

このブログを開設してから今日で丸一年。待降節の第一週目である。共謀罪は塩漬けだが……。

読書の続き。

『弥勒』は半分ほど。鉛筆であえて汚しながら読んでいる。大辻隆弘『岡井隆と初期未来』六花書林、は冬休みにとっておくべきなのだろうが、最初の二つの章を読んで、うなずくこと多し。あちこちで評判の高いのも当然。昨年、昨年、「朝日歌壇鑑賞会事務局長」なる総会屋まがいの「愛国者」に突然噛み付かれた経験のある人だが、こういう仕事をされていたのなら、相手の卑小さがよけい見えたに違いない。関連して、先月の校正の帰りによった古本屋で、

古明地実歌集『チャムセ・ノレ』不識書院

を見つけ購入。田井安曇や石田比呂志の作品に、出て来る人で、眼線の低いがしっかりした歌い方と、雀への愛着とに個人的にはポイント高し。

あとは新書と文庫だけ。二た月ほどによんだもの。

広井良典『日本の社会保障』岩波新書
これは、消費税をめぐる論争や、社会保障費をめぐる論争を理解するため。

西原博史『良心の自由と子どもたち』岩波新書(再読)

宇賀陽弘道『Jポップとは何か』岩波新書
佐藤良明『J-POP進化論』平凡社新書
竹中労『定本 美空ひばり』ちくま文庫

夏休みに読んだ鶴見俊輔『戦後日本の大衆文化』からの発展。所属しているグループへの企画を出すに際して理論武装のために(!)読んだ。
よく、「昔の流行歌手はクラシックの素養があった(ソレニヒキカエ……)と嘆く人がいるが、いくらクラシックの素養があろうが、(1)唱法と(2)曲の組み立て、は別だ、ということを悟らせてくれたのが佐藤良明の本。高校以降この方、音楽を科目としてとったことがない(大学では、文学部に、小島美子が来ていて、人気が高かったが、満員でもぐることは不可能だった)。

ただ、佐藤本、私が07年に本屋で買ったのは99年の初版なのだ。それほど売れないのかい……。

結局、出した企画そのものは範囲が広すぎ、絞る結果に。まあ、それは、それでよかったのかもしれない。そもそも、私は、音楽書の一冊まるごとの編集・校正はやったことがないし、ちょっと大風呂敷を広げすぎたか、と思っていたところ。反省の過程で、

間宏『経済大国を作り上げた思想』文眞堂

を出先の図書館で大急ぎで読み、いろいろなことを教わる。

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