格差社会へ批判元年
雨宮処凛vs濱口桂一郎対談『格差社会へ批判元年』、12月19日の『EU労働法政策雑記帳』で予告されていたのが、28日の朝日新聞夕刊に出る。ビミョーなすれ違いぶりがかえっておもしろい。竹信三恵子氏(『きほんのき』はこの人が学芸部次長の頃の企画。たまたま28日、近所の古本屋で入手。連載当時もおもしろかったが、思想的背景を考えると納得がいく)が司会と編集を担当したとあるが、ライブを見てみたいという気分。
論点は多岐にわたるが、興味深かったことを一つだけあげておくと、非正規労働者の組合について、
濱口「(独立系労組の) 功績は大きいが、正社員労組と一緒に戦う方が効果的。日本の職場は管理職と非正規雇用だけになる可能性さえあり、非正規の組織化なしに労組の将来はない」【( )はMaxの補足】
雨宮「ひどい労働条件の非正社員の増加を正社員労組は放置し、非正社員たちは自力で労組を作った。日雇い派遣など細切れ雇用の人たちを支える独立系労組は必要だ」
という、違いがある。
ただ、幸いにというか、出版の場合、ある意味では、この問題はクリアされかけているのかもしれない。ゼンセンのパート組織化についてかつて『日本労働研究雑誌』でのある論文がそこはかとなく示したような、正規社員側の組織防衛(=非正規の別系統労組による組織化の排除)という利害がそれほどは、絡まないこともある(むろん、お前は甘いんだよ、といわれればそれまでですが)。
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