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2008年4月 5日 (土)

風が桜の花びらを散らし……

おとつい、きのうと桜が散って、吉野弘・高田三郎の「心の四季」を思い出す。花見に行かず。日中は確かにあついくらいだったが、夜は「春がそれだけ弱まってくる」どころか、冷える。

3504129236618_5 CD、本日、良品が到着。 先週の日曜日に届いたものは、2枚目のレーベル部分に傷があり、再生は支障がないとはいえ、将来的に不安なので交換してもらった。幸い、今回は良品が手に入ったからよかったが。CDになってから、不良品にあたることがよくある。それも値段に関係なく。技術としてまだ枯れていないということだろう。だから、HMVのサイトでボックスもので33枚(106曲)1万円代前半、とか50枚で5000円代という広告があっても、確認が厄介だなと思って怖気づいてしまう。33枚を到着後一週間で検品するというのは、苦痛に近い。

1枚目――ハスキルはプライベートな録音で、そのせいか、リスト(1928)は全部の音が入りきっていないのか、微妙な残響の部分が切れてしまっているみたいだ。ただ、指はよく回る。擬音を使うのは月並みだけどコロコロという音。

グラウンとプーランク(どちらも1936)は針の音がすごいが、40代にはったばかりの将来への不安に満ちた内面を浮かび上がらせている。

晩年になっての、ベートーヴェンの2番は、オケとの録音でないのが残念至極。1958年というから、彼女に残されていた年は片手に満たないのだが……。
期待していた、ヨッフムとの9番は、たしかにシューリヒトと入れたヘンスラー盤よりもいいが、テンポはもう少しだけ速くてもいいだろう。この曲はモーツァルトが若い頃の曲だし。

2枚目――リパッティが、インタビューの途中でショパンのワルツやバッハの「イエスよ、私はあなたの名を呼ぶ」(惑星ソラリスの曲といえば、ああ、あれかという人も多いはず。私の葬儀に使ってほしい曲の一つ)を弾いていて、美しい(ただし、リパッティといえば、早世したので、MP3で、著作権フリーで聴けるようにになっているから、高い買い物だといえなくもない)。バルトークでは打って変わったように野性的。

ただし、おしまいに入っている1943年のルーマニアでの自作録音など、けっこう微妙な問題を残すことになったのだろう。何しろ、「鉄衛団」の時代、アーレントの『イェルサレムのアイヒマン』で知ったのだが、この国は激烈な反ユダヤ主義が支配していて、ナチスも顔負けの迫害をしたのである(アーレントは、ブルガリアがユダヤ人を保護しようと努力したこととの対比で描いて、いっそう際立たせている)。
戦後、ルーマニア作曲家連盟から除名されたというのも(これはSpycketの解説で知った)こんな時代に帰国して演奏したりしているからなのだろうか。

最近、畠山睦雄『ディヌ・リパッティ 伝説のピアニスト 夭逝の生涯と音楽』という感じのいい伝記を書店で見かけたが、このあたり、どう触れているのだろう? 戦時中の活躍がいくぶんかは原因になっていたのだろうか。ユダヤ系のハスキルとの友情が壊れなかったのが不思議である。

ハスキルについても、リパッティについてもJ.Spycketによる、解説は面白い(といっても私は英訳部分しか読めないのだが)。二人の微妙な友情の危うさの切ないこと! ただ、リパッティへのインタビューについては英訳は原文をかなり省いての抄訳らしい。2番めと3番目がどうやら逆になっているのか?

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