2008年6月24日 (火)

憲法の守りかたについて

P1010593 憲法労組懇というところが署名を集めている。私自身も署名したのだが、ただ、どうにも割り切れない感情はないではない。

「憲法9条の改悪を行わないで下さい」という文面(ビラの裏にある)は、腰が引けすぎていないか。団塊世代で学生運動の経験もあるはずの人たちがよくこの文案を通したな、と思う。

あるいは請願というものを「お願えしますだ」くらいにしか思っていないではないか。清水幾太郎の「いまこそ国会へ」をひきあいにだすまでもなく請願はれっきとした権利なのである。「改悪」という言葉自体、ある程度の法学的素養を備えた人間なら、「あーあ。それをいってしまうと」と言う気分になる。自民党には弁護士出身の議員が何人もいる。その前にこのような文面をつきつけたところで、「改悪はそちらさんの解釈でしょう」といわれればひとたまりもないではないか。

誤解を避けるために行っておくと、私は護憲派である。現行憲法を守ろうという願いの切実さも十分わきまえているつもりだし、この署名運動に携わっている何人かの知り合いは真摯な動機であることも否定しない。だからこそ、その願いをうまく法学的な次元に着地させることを軽視されているのが、残念なのである。せめて「改正」とかぎカッコで表現するか、改訂とでもするか、考えられなかったのだろうか。

よく、街頭でのボードにマグネットを張る「投票」があるが、あれが統計学の意味からは何の意味もないのと、今回の請願文がすこし関連しているような気がしてしようがない。

P1010597 もうひとつは、「意見広告運動」のチラシの端っこである。イラク訴訟のニュースレターに同封されていたもの。短歌・狂歌・川柳を募集というのだが、これをみたとき、何かいやな気分がした。

確かに石川逸子は優れた詩人かもしれないが、運動側が、募集しているものを独立のジャンルの芸術(第二だか第三だか知らないが一応芸術だろう)とみなしているのであれば、歌壇や柳壇から第二の選者を呼ぶだろう。それを中山千夏とは……歌手時代の彼女の曲は好きだったし、エッセイも悪くないけど、散文のコンテストではないのだよ。

かつて自称「プロ2ちゃんねらー」が、新聞歌壇を批判したとき、歌を数える単位である「首」を知らないのか、「句」を使っていたことがある。それと違わないのではないか。

2008年4月17日 (木)

まともな判決

イラク訴訟、まともな判決が出た。敗訴というのが残念だが、裁判長の工夫のぎりぎりまでということだろう。

まず、朝日

「空自イラク派遣は憲法9条に違反」名古屋高裁判断
2008年04月17日14時17分

 自衛隊イラク派遣の差し止めや派遣の違憲確認などを求めて全国の市民3千人以上が提訴した集団訴訟の控訴審判決が17日に名古屋高裁であった。青山邦夫裁判長は原告の請求を退けた一審・名古屋地裁判決を支持、控訴は棄却したが、「現在の航空自衛隊のイラクでの活動は日本国憲法9条1項に違反している」との判断を示した。全国で起こされたイラク派遣をめぐる訴訟で、一、二審を通じて違憲判断が示されたのは初めて。

 判決は、首都バグダッドで米軍と武装勢力との間で激しい紛争が起き、一般市民に多数の犠牲者が出ていることを指摘。「イラク特別措置法にいう『戦闘地域』に該当する」と認定し、空自のイラクでの活動は武力行使を禁じたイラク特措法に違反し、憲法9条に違反する活動を含んでいると結論づけた。

 裁判は04年2月に最初の提訴があり、7次にわたって3237人が原告として名を連ねた。名古屋地裁は06年4月、派遣差し止めを却下、慰謝料請求を棄却、憲法判断を避ける判決を言い渡していた。

 控訴審には1122人の原告が参加した。審理の中ではイラクの現状を記録したDVDを見たり、原告側が申請した証人2人が陳述するなどして、裁判官側も原告の主張に耳を傾ける姿勢を示した。

 イラク派遣差し止めをめぐっては、北海道、仙台、栃木、東京、静岡、京都、大阪、岡山、熊本で各地裁に市民が提訴したが、これまで原告敗訴の判決が出ている。

割と要点を抑えているのが読売

「空自イラク輸送活動、名古屋高裁が「憲法違反含む」と指摘」
(2008年4月17日14時24分  読売新聞)
 自衛隊のイラク派遣に反対する市民グループのメンバーらが国を相手取り、派遣が憲法違反であることの確認などを求めた訴訟の控訴審判決が17日、名古屋高裁であった。

 青山邦夫裁判長(高田健一裁判長代読)は、「イラク特措法が合憲であったとしても、活動地域を非戦闘地域に限定した同法に違反し、憲法9条に違反する活動を含んでいる」と述べた。そのうえで、1審・名古屋地裁判決と同様、訴えが不適法だとして、原告側の控訴を棄却した。

 訴えていたのは、自衛隊イラク派兵差止訴訟の会(池住義憲代表)のメンバーと、天木直人・元レバノン大使の計1122人。原告側は、「イラク派遣は戦争放棄を定めた憲法9条に違反するほか、憲法前文に掲げられた平和的生存権を侵害され、精神的苦痛を受けた」と主張し、派遣の差し止めと違憲確認、損害賠償を求めていた。

 判決は、現在のイラクの状況について、「多国籍軍と武装勢力との間で、国際的な武力紛争が行われている」と指摘。そのうえで、航空自衛隊の活動について、「空輸活動のうち、少なくとも多国籍軍の武装兵員を戦闘地域であるバグダッドに空輸する活動は、武力行使を行ったとの評価を受けざるを得ない」と判断した。

(2008年4月17日14時24分  読売新聞)

くやしさでムカーというのが産経。これはお笑いまで。

空自イラク派遣は違憲 原告の控訴は棄却 名古屋高裁
(2008.4.17 14:19 産経新聞)

自衛隊のイラク派遣は武力行使の放棄などを定めた憲法に違反するとして、天木直人元駐レバノン大使や市民ら約1100人が、派遣の差し止めや1人につき1万円の慰謝料を国に求めた訴訟の控訴審判決が17日、名古屋高裁であった。

 青山邦夫裁判長(異動のため高田健一裁判長代読)は原告側の控訴を棄却した上で、「航空自衛隊の空輸活動は憲法9条に違反するとみられる」として、空自のイラクでの活動は違憲との判断を示した。

 原告側は「自衛隊のイラクでの活動は外国軍の武力行使と一体化し、武力の保持や交戦権の行使を認めない憲法9条に違反した。平和的生存権を侵害された」と精神的苦痛への慰謝料を求めていた。

 1審名古屋地裁判決は、派遣差し止めについて「具体的な権利や義務に関する紛争ではなく、訴えは不適法」と却下。慰謝料請求を「市民の具体的権利が侵害されたとは認められない」と棄却した。

健康の問題がちょっとある最中なので、お祝いにもいけないが……。

2007年3月26日 (月)

公述人公募のお知らせだそうです。

少し前に話は戻る。3月20日に国会に行った時、林克明さんが改憲反対の座り込みをルポしていたのに出会った。

共謀罪反対闘争にあって、林さんのヴィジュアル・ジャーナリストとしての仕切りが、警察側のこれまでの暴挙を抑えてきた。都知事選をめぐる動きでは必ずしも意見が一致するわけではないにしろ、日本国憲法を守る立場から行動されていることには頭が下がりっぱなし。ただ、かつて国会前で、知り合った人たちは、表現者の会からはほとんど誰も来ていなかったよう。軽い不安を感じる。

気がついてみれば、国民投票法は危険な水位に達しているといわれて大分たつ。

私自身、今年に入ってから、背骨を折られたように動かなくなってしまった。ヒューマン・チェーンには出たものの、それ以上のことはしていない――。ファクスすらしていないのだから。誰かに励まされないと、やっていけない、などという程度のことではなく、心身ともに不調なのです。

とりあえず、公聴会公述人募集のお知らせを貼り付けます。どんどん応募してください。

日本国憲法に関する調査特別委員会
   公聴会の公述人公募のお知らせ

                             平成19年3月23日

          衆議院日本国憲法に関する調査特別委員長  中 山 太 郎

 衆議院の日本国憲法に関する調査特別委員会は「日本国憲法の改正手続に関する法律案(第164回国会、保岡興治君外5名提出)及び日本国憲法の改正及び国政における重要な問題に係る案件の発議手続及び国民投票に関する法律案(第164回国会、枝野幸男君外3名提出)」につき下記の要領で公聴会を開きますから、意見をお述べになりたい方は進んでお申し出ください。

                   記

1 問   題  日本国憲法の改正手続に関する法律案(第164回国会、保岡興治君

外5名提出)及び日本国憲法の改正及び国政における重要な問題に係る案件の発議手続及び国民投票に関する法律案(第164回国会、枝野幸男君外3名提出)について

2 日   時  平成19年4月5日(木) 午前9時

3 場   所  衆議院内

4 申出の方法  東京都千代田区永田町1-7-1(郵便番号100-8960)衆議院憲法調査特

別委員会及び憲法調査会事務局気付日本国憲法に関する調査特別委員

長あてに、意見を述べようとする理由及び具体的事項並びに問題に対

する賛否を文書で申し出てください。

         なお、住所、氏名(ふりがな)、年齢、職業及び電話番号を明記して

         ください。

5 申出の期限  平成19年3月30日(金) 正午

6 出席者の   申し出た方の中から委員会で選定の上、通知いたします。
  選定通知

7 旅費日当   出席者には旅費日当を支給いたします。

      なお、お問い合わせは衆議院憲法調査特別委員会及び憲法調査会事務局まで

                     電話 東京03(3581)5563

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